誰でも幼い頃には途方もない夢を持っているものです。その夢がいくら現実離れしていようが、叶わない確率は、決してゼロではありませんから。
私も中学生の頃までは本気でマンガ家になりたいと思っていました。あの手塚治虫先生に、自分の作品（あれは作品というより落書きでしたね）を送りつけ、「感想をください」なんて大胆にもお手紙を出したことがあります。ほとんど期待していなかったのですが、しばらくして「虫プロダクション」名義でご返事が届きました。そこには「デッサンがよくない」とか、いろいろアドバイスっぽいことが書かれてありました。手塚先生の署名はなかったので、たぶんアシスタントかスタッフの方が親切にご返事をくださったのでしょう。
そこから奮起はしたものの、高校に入る頃にはすっかりマンガは描くものではなく、見るものへと変わって行きました。
それからウン十年。マンガ家になりたいという夢はとっくに失せていましたが、イラストっぽいものを描いてどこかで発表してみたいという気持ちだけは、ず〜っとくすぶっていたんです。その気持ちのやり場として辿り着いたのが、大好きなMacと大好きな女の子のコラボ壁紙です。これがまた、自分で言うのもなんですが、なかなか評判がよくて、海外のユーザからメールをもらったり、ネットのポータルサイトに取り上げられたりしました。